2016年8月23日火曜日

社会主義を感じよう -ブルガリア4日目-


今夜は24時の夜行バスでいよいよブルガリアを出ます。一昨日からずっといる日本大好き20歳のロシア人がいるんですが、彼も18時に出発してスペインに向かうそう。ヨーロッパは結構飛ぶ人が多いですね。LCC充実してるんでしょうねえ。このロシア人は何故か日本語をいろいろ知っていて、もうすっかり僕のことを「センパイ」って呼ぶようになっています。まあ20歳ならそれで合ってますけどね、笑ってしまいます。愉快な後輩でした。

夜行バスまでは時間があるので荷物をまとめて宿に置いて、日中は昨日雨で行けなかったところに行ってみたいと思います!

今日もメトロ、一日券を使って。

郊外(といっても中心から5駅ぐらいですが)に到着

ここが今回の目的地なんですが...

事前に調べておいて良かったです。ソフィアの観光地で検索しても全然上の方とかには出てこず、よーくよく調べた結果見つけました。観光地化しておらず、外からはどうみてもただの政府関係の機関が入った建物で、車の門の警備員に話しかければ入れる、という半ば裏観光地のような施設ですが、これでも立派な博物館。もうちょっとわかりやすく作れ。

ここは、「Museum of Socialist Art」。ブルガリアがソ連の衛星国家だった社会主義時代に製作された絵画や彫刻が展示され、また当時について映像資料などが見られる、とのこと。この世界一周中に旧ソ連の文化圏に入ることはもうあまりないでしょうから、ただの国立博物館よりはこういうとこに来た方が面白そうじゃないですか。何より観光地化されてなさすぎるし。


たくさんの彫刻が並べられた庭
受付には「チケットは映像室で」の張り紙。そして休館:月曜日の文字。きのう来ようと思ってましたけど来てもしょうがなかったですね。よかったよかった。
映像室とやらに行くと土産物屋(社会主義時代の様々なデザインがあしらわれたマグカップやTシャツなどを売っている)が入っており、そこのおばちゃんがチケット売ってくれました。大人6レヴァ学生3レヴァ。もう「Student?」「Yes.」のやりとりだけで学生証の確認とかが一切なかったです。いいのか。

映像室で一人映像を見る
社会主義時代のブルガリアについての映像、なんと25分!
25分見て全部を理解できたわけは当然ありませんが、とりあえず「ここの博物館、そして多分ブルガリアが全体的に社会主義時代をあまり否定していないこと」は分かりました。もっと「暗い歴史」的なテイストで来るのかと思いきや

「こどもたちがソヴィエトの踊りを踊っています(後ろに槌と鎌)」
...ずいぶん微笑ましいですよね。こんな可愛らしい槌と鎌は初めて見た。画用紙切って暗幕に貼るて。

これは映像室にあった写真ですが
映像にも同じシーンが。

あの共産党本部のてっぺんに赤い星があり、
ヘリで撤去されたところ
なるほど。
続いて芸術を見る前に、

はらごしらえ
カフェまで併設してます。お客さんもいました。よかった僕だけじゃなかった。彫刻をながめながらお昼ご飯にします。サラダ、キノコごはん、ケバブチェ(ブルガリアの料理でひき肉を棒状にして焼いたもの)。7レヴァぐらいでした。うまいうまい。キノコごはんの味付けがハーブが効いてて上手でした。

建物の中へ
肖像画と

胸像ばっかり


この3枚はすべてレーニンを描いたもの

たまーにこういうでっかい絵があるけど

まあこれかて半分肖像画みたいなもんやろ
やっぱりこれが社会主義時代の芸術の自由度の無さなんですかね。政治的なものを感じない絵や彫刻は一点もない。そういう博物館なので当然ちゃ当然ですけども。あと、当時の機関紙的なものもほんのすこーしだけ展示されてました。
 
まあ結局やっぱり一番すごいのは彫刻かな

郊外とはいえビルがそれなりに立ち並ぶ中
ちょっとここだけ不思議な空間と化している

これはそういう芸術かと感心しかけたが
作品名に人命しか書いてなかったのでただの製作途中という可能性もある

大きなレーニン達の像が見つめる先は近代的ビル
レーニンは偉大ということか

...!
これはもしや!実物!?これは入り口なので入ってくるときも見ました、というかネットに「分かりづらいので赤い星を目印にしましょう」と書いてありましたのでこれ見て入ってきました。もしやただの「社会主義博物館やで」の印ではなく、共産党本部のてっぺんにあった赤い星の実物でしょうか。やとしたらすごい。ブルガリア人民共和国の中心をずっと見下ろし続けた星が、ブルガリア共和国となった今も首都郊外で僕の目印になったんですよ。すごい。ここまで言うてただのレプリカやったら笑いますけどね。

この国に来たときから思ってるけど、やっぱりあんたは
...EU旗の隣は似合わんよ。



深い意味はなく。ただビジュアル的に。でも国旗というのはビジュアルで国を表してますからね。なんとなくこの感性の合わなそうな色合いが。。。



帰る途中。
ソフィア大学です。ブルガリアの最も権威ある大学。そもそもソフィアは「知」の意味ですからね。かっこいい。
ソフィア大学のこと調べようと「ソフィア大学」で検索してもソフィア大より上に上智大が来るのどうにかなりませんかね。

裏口
観光地化されてるんで入ってもよさそうでしたけどね。まあやめときました。イメージするようなヨーロッパの大学って感じを受けましたね。


中心に戻ってまいりました
なんか違った建物に見えます。今ではこうしてブルガリア国旗がはためいている旧共産党本部のてっぺん。

となりの建物の中の、一昨日行きかけて閉まってたゲオルギ教会が今日は開いてたので中に入ってみました。

日本語久しぶりに見た
誰が訳したか知らんけど随分やらしいな。神様の祝福を受けると共に、て。

一昨日見逃していた教会
奇蹟者聖ニコライ教会。アレク...教会のすぐ近くです。こちらの教会はブルガリア正教ではなく、ロシア正教会。建物もよりロシアっぽいですね。内装は撮影禁止でしたけど、壁画はもちろんのこと装飾がものすごくロシアでした。ロシア名物のきらびやかなタマゴの置物あるじゃないですか。あれみたいな感じの、まるっこい照明や装飾がほどこされてて、ああロシア正教だ、と分かります。今回ロシアは行かないのでこういうのもね。

一度宿に帰ってゆっくりブログの更新など進めてましたが、毎時00分に衛兵の交代があるという情報を見つけ、19:00を狙って衛兵を見に行くことに。





足を高々と上げる兵隊さん
ロシアで見たのと同じ



おおー。ヨーロッパの兵隊さんは絵になりますねえ。終了時刻を見たら18:55だったので毎時00分と決まっているわけではないそうです。早めに行ってよかった。その足でばんごはんへ。

電車だけの通り

ブルガリア料理屋へ


おっとこれはなかなかいい店

ばんごはん
なかなかブルガリアっぽいでしょ?昨日明らかにカヴァルマを食べ損ねてるので「カヴァルマはありますか?」ときくと「ないけどこれがカヴァルマに近い、カヴァルマ、んー、カヴァルマだね。うんうん。カヴァルマ。」と言われ出されたのがこの料理です。確かに僕のイメージしてたのとはだいぶ近いので、これでカヴァルマを食ったこととします。地味にこの奥のポテサラみたいな盛られ方をしているトマトチーズソースやらヨーグルトとキュウリのソースが美味かった。
さらにその足で南に歩いて、

国立文化宮殿
これまたずいぶん社会主義っぽい建物を...。中にはでっかいコンサートホールやらディスコやら、いろんな文化に対応している複合施設と聞いたので行きましたが、この時は特に何もやっていなかったようでカフェがやっていただけでした。まあ空は明るいですけど時間は20時を回っているので(サマータイムのせい)、時間が悪かったのかもしれません。もうちょっとこう気軽に入れるモール的な建物を想像してましたね...。

宿に戻り、23時過ぎに出発。バスターミナルの指定されたプラットホームに行ってみると...



だいぶ思てたんと違う
これはだいぶ違う...。まあアフリカのと違ってぎゅう詰めにされることもなく、一人がけの席には一人座るシステム(当たり前や)だったので乗り心地とかは普通のバスと大体一緒なんですけどね。

さらばブルガリア。

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