お久しぶりです。ブログではオランダ領キュラソーを出たところでしたね。カリブの何があるかもよくわからん島国に1カ国ぐらい行ってみたい、ということで、どこに飛んで行ってしまうのか…。みたいな話やったかと思います。
キュラソー・ハト国際空港を予定より1日遅く出た飛行機が1時間半のフライトののち着いたのはトリニダード・トバゴ共和国。南北に連なる小アンティル諸島の最南端に位置し、南米大陸ベネズエラとの距離はわずかに15km、という島国です。
圧倒的に旧スペイン領が多い中南米にあってこの国はもともと英領であり、完全なる英語圏。カリプソやソカといったラテン音楽の発祥国であり、有名なところではスチールパンという楽器が生まれたのもこの国。うん。なかなか独自の文化があるようやないか。
人口約133万人。うちアフリカ系黒人とインド系住民が多数。石油などの天然資源が豊富で、ここらでは割と栄えた国のようです。飛行機が安い国を選んだんでまあ必然といえば必然ですけど。
しかし、訳わからん国を選ぶと国の説明を長々としないといけなくなりますね…。
この国はトリニダード島とトバゴ島が主要二島なのでトリニダード・トバゴなわけですが、飛行機が着いたのはトリニダード島の首都・ポートオブスペインです。
着いたのは昼前でしたが、ここで問題が。
バックパッカーが多く訪れるような国ではないため(当たり前である)、安宿が全然ないのです。
Booking.comやHostelworldで調べても底値は一泊40ドルぐらいから。Airbnbで20ドル台があるぐらい。(※年末の情報です。いつも高いみたいですが。)
先人たちのブログを検索したところ、空港の観光案内で安めの宿にありついたとの情報があったので観光案内へ。
しかし。ブログに載っていた宿は満室とのことだったのです。観光案内所の見つけた最安宿がネットより安かったので予約を取り、目指すことに。
ここまで文字ばかりで読みにくいと思いますが、以降、宿に着くまでも写真が全くありません。トリニダード・トバゴは首都ポートオブスペインの一部(ダウンタウンを含む)に限り、治安があまり良くないという情報がありまして、カメラを出せなかったからであります。みなさんは思い思いのトリニダード・トバゴを思い浮かべながら読み進めてください。
まずは空港から市街地へ。売店のお姉さんからバスの切符を買い、バス停まで歩きます。
[ここで大型バスの形をした路線バスがやってくる写真を思い浮かべる]
小一時間でダウンタウンに到着。4トリニダード・トバゴドルやったかな。行きと帰りで値段が違ったので売り子の誰かが間違えている可能性がある…。
そうそう、ちなみに通貨トリニダード・トバゴドルの他に米ドルも流通してます。それぞれTT($)、US($)と区別して呼ばれUS$1=TT$6.25の固定レートなのですが市中ではUS$1=TT$6とか店側に都合よくレートを提示されます。
さて、バスターミナルからダウンタウンの真ん中へ。宿まで向かうタクシースタンドを目指します。
[アフリカとインドを混ぜたような雑多な町並みの写真をイメージする]
空港の観光案内所の人に言われた通りにすると確かにタクシースタンドに着き、言われた方面へ向かうタクシーを捕まえて乗り合います。
[住宅地にぽつんとある青い外壁の民家型ゲストハウスの写真が見えましたね?]
到着です。
切り盛りしている黒人のおばあちゃんが出迎えてくれました。個室一泊30ドル(僕も一縷の望みをかけて聞きましたが、やはりUSドルでした)。これでも最安。
高いのは残念ですが、親切なおばあちゃんは夜に僕を近所のお祭りに連れ出してくれました。
[真っ暗でいかにも治安が悪そうな住宅街の写真を(略]
おばあちゃんとはいえ現地の人が一緒ならひと安心。ちなみにこの一帯は治安が悪いとされるベルモント地区…に隣接しており、ある程度の用心が必要です。
お祭り |
祭りで買ってきた晩御飯は |
ウシのかかとのスープ?です。かかとのはず。翻訳があっていれば。ちゃんと中南米料理としての情報もありました。写真見ましたが間違いないです。ゼラチン質で、きちんと食べられるとのこと。確かにそんな感じがしました。表面だけは。
昨晩は早朝にリゾートホテルから引っ張り出されたのであまり寝ておらず、早々と爆睡。
翌朝。この日が大晦日です。
早くから起き出して、先述のブログに出ていた安い宿に空室が出てないか見に行きます。
その宿はダウンタウンの北西側、セントジェームスと呼ばれる比較的安全な地区にあります。通り道には謎の観光地マグニフィセント・セブンが。
壮麗なる |
七軒の |
建物だそうです |
向かいには大きな都市公園 |
そしてセントジェームズの住宅街を歩きまわり、なんとか目当てのBernie’s Hostelに到着。オーナーのおっちゃん(たぶんバーニー)が出てきて「あー昨日空港の観光案内所から電話くれた人ね」などと気さくに話してくれましたが、残念ながら満室。。。
しかし次の飛行機が一週間後、このまま引き下がっては宿代がバカになりません!
「そこに見えてる玄関のソファ、安くしてくれるんならあそこで寝てもええで」
宿「ちょっとワイフに聞いてくる」
…
宿「オーケーやて!」
かくして15ドル/1泊でかかあ天下ホステル(のソファ)を勝ち得たのでありました。
一度もとの宿に戻ってチェックアウトへ。

途中の屋台で買った安い謎ファストフード |
先ほどの大きな公園を横切って帰ってみると大設営中 |
これはトリニダード・トバゴのカーニバルの準備だそうです。世界三大カーニバルの一つに数えられるトリニダード・トバゴのカーニバルは2月末に行われるんだそう。スチールパンのイメージとも合うし盛り上がるんやろなあ。
そして元居た宿にはチェックアウトの旨を伝え、大荷物を背負って三度都市公園を越え、Bernie'sへ。
これが手に入れた寝床 |
ずっと大きな音でソカ(たぶん)が流れてました。今晩、ここで2017年を迎えます!!!
少し散歩へ。
塀の奥にはビル群が見える |
ダウンタウン方面にはそれなりのビルが何本も立ってます。資源もあるし、栄えてますねえ。
宿に戻ると、
例の強い奥さんが料理を作っていた |
夕方には日本に電話かけたりもしました。Facebookのメッセンジャーから。なぜかというとこのとき日本はすでにですね、2017年1月1日の朝なんですよ。元旦を迎えた日本の友達に電話しては「お前さ、”去年”から電話かかってきたことある?」とか言いまわってましたね。意外とウケた。
これは自分で作った年越しパスタ |
宿の近所の中国系商店で買ったベーコンが、クリスマスのパナマのショッピングモールからやってきたバジルペーストと織りなすハーモニー、年越しにふさわしいものでした。
中国系のお店さんは多いですね。中国の食品なんかも多く置いてあります。
同じ宿のお客さんたち |
彼ら、すごく気さくなベネズエラ人たちです。彼らで宿がいっぱいだったのでした。
最初の方に書きましたが、トリニダード島はベネズエラからわずか約15kmに浮かんでいます。じゃあ正月休みを使ってバカンスに来ているのかといえばそうではありません。これは前回のブログでもちらっと触れたんですが、ベネズエラは現在政情不安を通り越して混乱に陥っている状態なんですよ。執筆している現在でも引き続き混乱しているようですが、そんな中で比較的安全かつ経済水準の高い隣国にヒナンしてきているんだそう。僕がお話しした一人はガスの関係のエンジニアだとか言ってました。手に職があるのでこうして海を渡って数ヶ月単位でお金を稼いでいるそうです。大変そう…。手に職があるからまだいいですけど、土地を離れづらい第一次産業従事者とかそもそも国外に出られない低所得層とかはもっと苦しんでいるはず。一概に合衆国が力で抑え込めばいいというもんでもないでしょうし難しい問題ですけど、早く解決してほしいものです。
厳しい状況でしょうが、しかし宿のベネズエラ人たちは明るく振舞ってくれました。
ご飯も振舞ってくれました |
足りてなかった主菜と副菜が思わぬ形で補われました。美味しかったです。
南米で放映されてる日本のアニメの話とかしてくれましたね。ドラゴンボールのオープニングをYouTubeでかけながら「知ってる?」って聞いてきたりとか。初代OPはわかりましたけど続編のOPを次々かけられて一曲もわかりませんでした。アニメは触れてきてないんです…。
やはりドラゴンボールとかNARUTOが人気ですねえ。日本で10年以上前に放映されていたようなアニメが南米諸国では流れているようです。
ベネ「あとSAMURAI Xも有名だよ」
ぼく「さむらいえっくす?????」
ベ「SAMURAI X知らへんの????」
ぼ「知らんなあ。ほんとに日本のアニメ?」
ベ「(YouTubeでOP見せながら)これやんか。知らん?」
(そしてジュディマリのそばかすが流れる)
るろうに剣心の洋題(?)でした。ニンジャとかサムライの海外人気にあわせてるんですね。
そんな話をしながらのんびり過ごしている間に、日本から遅れること13時間、
2017年を迎えたわけであります!

年越しの瞬間あちこちの民家から打ち上がる花火 |
25時ぐらいにおとなしく眠りました。
元旦。やーぐっすり寝た寝た。ソファ、全然いけましたよ。
先に言うてしまうと飛行機は1/6なので約一週間あります。何があるかも知らない島でゆっくりするのが目的なので当然、あてもなく日々を送っていきます。あれですよ。正月休み。
しかし正月休みを取っているのは僕だけではありません。街じゅうが正月休みです。ごはんにもありつけるかあやしい。
そんな中
リーズナブルに
世界中どこでも
そしていつでも
我々にとって美味しいごはんを提供してくれるのが
炒飯、野菜炒め、麻婆豆腐 |
中国の方々。本当に感謝ですね。本当に世界中どこにでもいらっしゃいます。正月も営業しているのはたぶん旧正月に休む関係だとは思いますけど。
その後もぷらぷらと散歩を。
これがセントジェームス地区のメイン通り |
惜しくも太陽は雲に沈んだ |
翌日も同じ感じでした。街中に行って買い物をしたり海を見たり、そしてトバゴ島に行くことも検討したり。シーズンじゃなかったですけど一度だけスチールパンの音色が聞こえてきたり。思ったより賑やかなカリブの正月を送りました。
1月3日。
まだ三が日ですが、朝から宿をチェックアウト。オーナーが乗合タクシー乗り場まで車で送ってくれて、最後まで優しいオーナーでした。
これがその宿 |
結局フェリー |
目指すはもちろんトバゴ島です。前日ターミナルに来てみたところチケットが当日予約しか無理なそうで、この日も早めにターミナル入りしまして無事に取れました。米ドルで7ドルぐらいのものだったはずです。
船内はこんな感じ。至って快適。 |
そして甲板から望むこの景色がポートオブスペイン市街である!! |
都会。
4時間ののち。
トバゴ島・スカボローに到着。夜になってしまいました。
しかしトバゴ島のいいところはトリニダード島や他の多くの中南米と違ってとても安全ということです。トバゴ島といえば観光。特に美しい海がウリ。ということで治安も維持されているようですね。
乗合タクシーに普通に乗り込んで、事前に取っていた宿の方面へ。

これがトバゴの宿 |
というかCandles in the windって風前の灯火みたいなことじゃないのか?

翌朝 |
いいお天気、いい雰囲気ですね。もうほんとに綺麗な海しかないようなので歩いて近くのビーチへ。
ほう |
公園みたいになっている |
ラブ ライv…、リブかな?
|
見慣れない鳥 |
本当に一日中海のそばで過ごした1月4日でした。ああ。めっちゃいい。落ち着く。
そしてこの日もCandles in the windに宿泊。
翌日は東側スカボローに戻って街を少し歩き、トリニダード島へ帰るフェリーの確保へ。実は乗ってきたフェリーの他にも夜行の貨客船があることが判明、しかも昼行より安い!(加えて高い宿代が浮く!!!)。
ただし夜になってからにカウンターに行ってみて客扱いのスペースがある場合に限り乗れる、とのこと。もし空いてなかったらスケジュールが狂うのでちょっとしたギャンブル。
まあ普通に乗れましたわ |
大きい船ってロマンあるよね |
翌朝、ポートオブスペイン着がだいぶ朝早かったので、そこは治安の良くない場所の鉄則、人通りが増える時間帯まで港で待機。
この日が日付変わって1/6、すなわちトリニダード・トバゴをあとにする日ですが、飛行機まではまだだいぶ時間があります。
実はトリニダード・トバゴを飛び立った後向かう予定のとある国で、入国に必要な書類を入手していなかったことを二日前ぐらいに思い出しまして。その某国の大使館がポートオブスペイン郊外にありましたんでね、行ってきました。
国旗でバレバレ |
はい。次はいよいよ旅の本丸、社会主義国キューバに行きますよ!!!!楽しみすぎますね!!!
キューバに入国するには「ツーリストカード」なる書類を手に入れる必要があって、キューバと仲のいいメキシコの空港やカナダからの飛行機であれば簡単に入手できるという噂です。しかし今回の旅程はトリニダード・トバゴ発、アメリカ合衆国経由、キューバ行き。
ご存知の方が多いと思いますがキューバとアメリカは至近距離にありながら非常に仲が悪いんですよね。オバマさんが国交正常化させたので、この当時からいうとつい数ヶ月前から米国-キューバ間の直行便が飛び始めたばかり、という状況でした。その状況で旅行客にツーリストカードを用意するという友好国並の対応をしているとは考えづらい…→トリニダード・トバゴにいるうちにツーリストカードを入手しておくに越したことはない→トリニダード・トバゴにもキューバ大使館があることを発見。
ということで朝から大使館へ行くことにしたと言う経緯ですわ。ご覧の通り、めっちゃ住宅街の真ん中にありました。Bernie’s Hostelがあるセントジェームズ地区からさらに東へ進んだ郊外。開館前から並んでいるとスタッフが中に招き入れてくれ、とてもスムーズにツーリストカードを入手。
そのまま市街バスターミナルまで乗合タクシーで移動。市内移動は基本乗合タクシーのようですねこの国は。道に立ってたら普通の乗用車が次々と止まって行き先を聞いてきます。この辺は途上国みがありますわ。
さて空港。搭乗口へ。
様子がおかしい |
今から中継地として向かう予定のアメリカ・フロリダ州、フォートローダーデール=ハリウッド国際空港で銃乱射があったことが判明。
銃乱射!?!!?!?!???!?!?!!?!?!??!!?
覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらがその時のニュース(http://www.afpbb.com/articles/-/3113344)。
今から向かおうとしている空港で銃乱射が起こるとは………
最初見た時の見出しは「フロリダ州空港で銃乱射」だったんですよ。でもフロリダにはマイアミとかタンパとか大都市の空港がいくつもあるはずじゃないですか。他人事のようにニュース開いたらまさかのフォートローダーデール=ハリウッド国際空港でしたよ。なぜよりによってLCCのターミナル空港・フォートローダーデール=ハリウッド国際空港が標的に…。
幸いテロとの関連は全くありませんでしたが、当然フォートローダーデール=ハリウッド国際空港が終日閉鎖。我々乗客は1日足止めをくらい、航空会社が手配したホテルにもう一泊。今度は普通のビジネスホテルでしたけどおいしい朝ごはんがつきましたし、文句は言えません。

そうそう軽食も配られました |
お好きな飲み物とハンバーガー。社会主義国行く前から配給を受けるとは。
こういう交通の混乱の時って日本やとだいたいめっちゃ文句言ってるおじさんとか平謝りする(何も悪くない現場の)スタッフとかがいたりして殺伐としがちじゃないですか。あるいは疲労感からくる重苦しい雰囲気に支配されるか。
僕こそ自由な旅程のお気楽ものですからいいですけど、さすがのカリブ海ピーポーもアメリカ合衆国行くような人たちは割とスケジュールとか狂って相当困ってるはずなんですよ。加えて銃乱射の説明も遅かったし、イライラが募って何が起こってもおかしくない状況やったと思うんですよね。ところがそこはさすがカリブといった感じで、一人のカリビアン=おばちゃんが500ml缶ぐらいの大きさのコンパクトスピーカーを持ち出して、そのコンパクトな見た目からは想像もできないような大音量でカリブど真ん中なラテン音楽をかけはじめたんですよ。陽気も陽気といった感じで。焦っても仕方のない状況でこれは効くなあ、すごいなあと思いました。日本なら(というか多くの先進国では)人混みの空港にあってスピーカーで音楽をかけることも許されないですからね。羨ましいような、見習いたいような気もする。(ただ飛行機の定時性に関しては逆に日本を少しでも見習ってほしい、この場合は仕方がないけど)
なんにせよ、その土地の音楽がその土地の人々を支えている瞬間に立ち会うことは非常に貴重な経験やったなと思います。こんな時こそラテン音楽なんでしょうね。
翌日。
無事にアメリカ・フロリダ州、フォートローダーデール=ハリウッド国際空港へ飛び立つことができました。自己乗り継ぎなので、いよいよ人生初・アメリカ入国を果たします。
ちなみに、イランなどを含む特定の中東諸国への入国歴があるとESTAでの入国は認められず、正式にアメリカビザを取得する必要があるようです。アメリカビザは高額かつ、大使館に出向いて面接をしないといけないそうです。英語で。本当はイランとか行きたかったんですけどこのせいで断念しました。これが、こういう側面を持つのが、アメリカ合衆国です。
話が逸れましたが、カリブ海を縦断した飛行機がフォートローダーデール=ハリウッド国際空港にたどり着いたのは夜でした。

は? |
最後尾どこ? |
僕の便はこの日の昼に出るはずでしたが、翌日に振り替えてくれる模様。LCCなんですけどさすがのこの事態には対応してくれるみたいですね。
ところでこのフォートローダーデールという街、一応リゾート地らしいんですよ。そしてアメリカ。ということは、安宿がないということです。まああっても泊まりに行かないですが、強制空港泊です。というかほとんど寝ませんでした。寝るスペースが全くない。人であふれすぎている。椅子に座って徹夜をして、当ブログのアルゼンチン分が錬成されました。
そしてもう一つ苦難が。
物価。アメリカの、しかもリゾート地の、空港。

晩飯 |
そして翌朝。朝の7時から並んだ列は建物の外まで続いていました。フロリダとはいえ1月はさすがに寒く、フル装備でも凍え死ぬかと思いましたよ。ひどい目にあった。
とにかくまあ災難でしたが、お昼にはなんとか飛び立ちましたとさ。オバマさんのおかげでつい最近就航した路線に乗って、一路、いよいよ、この長い旅の本丸を目指す1月のわたくしでありました。
オモロ〜!
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